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2021/03/07 (Sun)
既に公開済の「群青と走る」、「告白前夜」の二曲をのぞく
「ラストノート」収録曲のセルフライナーノーツを公開します。
メインのソングライターであるGt/Key/Cho ヒラノシュンスケによるものと、
共作曲の「とけない魔法」はヒラノ&ヤマザキ二名分です。
我々の楽曲の違った楽しみ方の一つとして、ぜひご覧ください。
「群青と走る」、「告白前夜」二曲のセルフライナーノーツは
こちらから→「群青と走る/告白前夜」セルフライナーノーツ
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2. 恋
一応今のところkittone最速、そして最短の曲です。そして実は音数も一番少ない。
ドラム、ベース、ギター×2 だけで構成されています。
みんな大好きなピアノの音も、ストリングスの音も入ってないという。
じゃあめちゃくちゃアンサンブルがシンプルかというとそんな事もなく、冒頭からギター2本が左右で絡みまくっています。
そこにリズム隊がまた一筋縄じゃいかないリズムで絡んできて、実は随所フックに溢れているんです。
ぜひそのへんも聴いてみてください。
サビとかはギターこそシンプルになるのですが、そのぶんベースには縦横無尽にやってもらっています。
このへんのバランス感覚はkittoneの黄金パターンになりつつありますね。
でも結局、歌い出しのはなちゃんの声で、しっかり彼女がかっさらってくれる。それでいいんです。
サビだけでなくAメロが強い!
「好き」とか「愛してる」という言葉を一度も使っていないのに、歌っているのは一貫して一つのテーマ、
1サビ終わりの「この気持ちの名前を知ってる」このフレーズが最高のアバンタイトルへの振りになっていると思います。
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3. おとぎ話みたいに
このアルバムの中では「終わりのち、晴れ」と同じくらい初期の曲です。
まだバンドの音楽性を模索していた時期の曲、名バラードだと思います。
はなちゃんの「吐息声」が炸裂していますね。
RECの時に「もっと吐息混ぜて!もっと!」て言いまくった記憶があります。
特に凄いなと思ったのは2Aの「長い痛み」のところ、歌い方のニュアンスでちゃんと「痛み」を表現できてると思います。
ぜひ注意して聴いてみて。
サビ〜Cメロにかけてギターのアルペジオの絡みが変化していくところがお気に入りです。
このへんも俺のインディーエモ魂が隠しきれず…。
誰もが人生の中で経験する「もっとも美しい瞬間」を音にしたら、歌にしたらこうなった。そんな曲です。
それはもう失われてしまったものだとしても、思い出す度辛くなってしまう記憶に変わったとしても、
その瞬間人生でいちばん幸せだった事実は変わらないし、その日があって今がある、そう信じたいですね…あれ涙が
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4. 終わりのち、晴れ
kittone始まりの1曲です。
ここから何かが始まる、何かを変えようというエネルギーがしっかり詰まった、一生ものの曲だと思っています。
決してストレートな歌モノではないんですよね。
サビのリズムとか意味わかんないし、ベースでかいしずっとウネウネしてるし、逆再生ストリングスとか唐突に入ってくるし
はなちゃんの歌がこの曲に生命を与えて、背骨をしっかり作ってくれたんです。
kittone最初の化学反応はこの曲で起こりました。レコーディングで歌い出しの1テイク目を聴いた瞬間、
「あ、やばいな」と確信した記憶があります。
この子は歌でちゃんと情景を描ける子だなと。声に「憂い」がある、でも押しつけがましくないような…
今聴いても歌い出しの声で鳥肌が立つ時があります。
大切な人を失った次の日の朝、目覚めた瞬間。そんな舞台を作りました。
カーテンを開けたら、空は皮肉なくらい晴れてる…
サビの頭はまさにそんなサウンドスケープを表現できたと思います。
自分の曲なのですべて愛しいですが、
俺はこの曲がいちばん好きです、暫定。
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5.とけない魔法
この曲は俺がライナーノーツ書くべきなのか…?実はヤマザキユウキ作曲なんです。
俺は全体の編曲とCメロを付け足した感じ、
ヤマザキが「すごい良いメロディができました!」て言ってきた時は嬉しかったです、
おお!作曲沼にようこそ!って感じで。
しかし編曲は難航しました。
作曲のセオリーや方法論を知らないヤマザキの投げてくる展開は最初もうしっちゃかめっちゃかで、
めちゃくちゃ転調したがるしもう大変。
俺はそれをポップソングとしてちゃんとまとめる事に集中しました。
結果的にすごい面白いバランスになったと思います。俺には絶対ない発想ばかりだったし、
はなちゃんこういう底抜けに明るい曲を歌わせても良いなあー!と、彼女の魅力を再確認できました。
歌詞は俺が書いたものをヤマザキが添削したもの、結果半分くらい変わったんじゃないかな?
一夏の忘れられない出会いを、一生ものにするために曲にしよう、そんなテーマです。
(Gt/Key/Cho ヒラノシュンスケ)
***
kittoneで初の作曲を、シュンスケさんとの共作で。
2020年8月某日、奇跡のような出会いが僕の前に突然訪れました。
その出来事を一生忘れないために一曲その出来事を歌った曲を作ろう、
そうすればその曲を聴くたびにいつでもその時の気持ちを
思い出すことができるだろうから、と決意して
僕のイメージとメロディを元にシュンスケさんに作り上げてもらったのがこの曲です。
しかしkittoneの楽曲として世に出すからには僕の個人的な思いを込めるだけでなく、
聴いてくれた人にもあの夏の日に感じた胸の高鳴りを伝染させられるような曲にしなければ…!
と思って取り組んだら、kittoneの楽曲群の中でもとびきり明るくポップな曲になりました。
僕は目に見えないものは信じない主義だったのですが、
目が合って声を聞いただけで呼吸を忘れるほどに鼓動が高鳴って、
出会ったその瞬間に何かが始まったような、大袈裟に言うと
「今までの人生がその瞬間のためだけにあった」ような…
そんな気持ちにさせられたそれはまさにその人の魔法なんじゃないか、
と思うほかなく、恥ずかしげもなくつけた曲名が「とけない魔法」。
もうこうなってしまったら、とける気配がない魔法にかけられたまま、
光に手を伸ばし続けて生きていくんだと思います。
でもなんだか幸せな気持ちだから、とけないままでもいいや。
そう思っています。
(Ba/Cho ヤマザキユウキ)
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6.スロウダンス (album ver.)
アルバム収録にあたりミックスを変えたバージョンとなります。
今久しぶりに聴いているのですが、この曲のアンサンブルやばいですね。
ツインギターが左右で違うフレーズを弾いてるところにリズミカルなピアノが入り、
唐突に右側からクレッシェンドのピアノフレーズが飛び込んでくる、そのループという。
この曲もポップスの皮をかぶったフックまみれの曲でした。オケだけ聴けばインディーロックみたい。
この曲のベースはまじで凄いと思います。
リズムがシンプルなぶん凄く映えるし、休符をふんだんに駆使したグルーヴィなベースが一番の肝になっています。
ヤマザキ君、この曲のベース録り終わった時「あー!ベースうまい!」て言ってましたからね。
「うまくないですか?」じゃなくて「うまい!」
歌詞は「終わりのち、晴れ」の続きみたいなイメージ。
大切な人を失ってやさぐれてる自分を俯瞰的に皮肉な目線で見てるイメージです。
堕落した生活を表現するために「洗い物は週に2回、洗濯なんてonce a week(週一)」て歌詞を書いたら
メンバーにドン引きされました。
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【Release】
2021年2月26日(金)リリース
配信限定ミニアルバム
『ラストノート』
1.群青と走る (テレビ埼玉『HOT WAVE』2021年3月度テーマソング)
2.恋
3.おとぎ話みたいに
4.終わりのち、晴れ
5.とけない魔法
6.スロウダンス(album ver.)
7.告白前夜
下記よりお好みの配信サービスにてお聴きください。